シン・ニホンを読んで

こんにちは、えなつあぜ です。

今日は安宅和人さんの「シン・ニホン」について、自分のための覚書です。

 

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書店で見かけて、以前から気になっていたけれども、なかなかの分厚さに気後れして、手を出さずにいた書籍。

楽天のお買い物マラソンのタイミングで思い切って購入し、読み終えました。

とても興味深い内容で、ページをめくる手が止まらず、最初に見かけたタイミングで買っていれば良かったと後悔。

 

AI×データ時代における日本の再生と人材育成について、現代がどのような状況にあり、どう変わっていくのか。

その中で、我々の現状とどのような対応が必要になるのか。

その実現のために、求められるスキルや人材はどのようなものか、それらをいかに育てるか。

自身の仕事に通ずるところもあり、印象に残った内容について、記録しておきたいと思います。

 

まずは、全ての変化が指数関数的に起きるという点。

直近の十数年でスマホが我々の生活を劇的に変容させたように、様々な分野で変化が起きている。

そんな世界の中での未来の方程式として示されたのが、

未来=夢×技術×デザイン

という方程式。

どんな課題を解決し、どのような世界を生み出すのかという夢があってこその未来。

そして意外にも日本は、この「夢」という部分に強そうだ、ということ。

(幼いころから鉄腕アトムドラえもんを通じて、こうできたらな、というアイデア・妄想を頭の中で幾度となく描き、夢を描く力を培っている)

 

そして、その「夢」を実現するための「技術・スキル」としてのAI・データ活用について、日本人は十分な状態にない、という点は自身を顧みても痛感する点でした。

労働生産性や人材育成に関する状況など、諸外国と比するデータをもとに、そもそもデジタル革新を実現しうる素養のある人材(基本的な理数・データ素養を持つ人など)の少なさ及び社会構造が述べられており、大きなインパクトがありました。

私自身、仕事でデータ処理をして考察をまとめた際、統計的な優位性などを上司に説明しきれないという経験をしてからというもの、それらはバックデータとして留めるようになってしまったな、と思い出し、簡易的に説明するまでに理解が至っていないなと改めて思いました。

 

それでは、そのような状況下にあって、データ・AIの力を解き放つためにどのようなスキル・人材をどのように育成するべきなのか。

必要なスキルセットとしては、データサイエンス力、データエンジニアリング力、ビジネス力が挙げられていた。

これら3つの領域については、いずれもミニマムレベルは有しておきたいと思いました。

(チームで活動すればよいので全てをMaxにする必要はないが、メンバーの意図を理解するため。特になじみの薄いデータエンジニアリング力は強化が必要と感じた。)

 

そして、これからの人づくりとして教育体系の見直しやリソース配分(若手層の教育に資する割合を少しだけ増やす)といったことが議論されていた。

どれも実現されなければと思う提案であるが、その実現には数年の時間を要するという現実に、どんどんと世界から取り残されていくのでは、という危機感も覚えた。

 

最終章では、残すに値する未来について議論がなされていた。

ここでも、水産資源やCO2排出量、気候変動などのデータに基づき、現状を示すと共に、目指すべき姿としてSociety5.0とSDGsの交点にある領域が挙げられていた。

問題として議論されることの多い人口減少についても、様々なデータ・持続性の観点から必ずしも悪いことではない、という意見が述べられており、インパクトがあった。

確かに、地球の気候変動のデータなどをみれば、直近の人類が繁栄している時代こそ特異的な期間であるし、地球上に占める生物の割合では、人間+家畜が9割という数字をみれば納得感のある内容。

そして著者自身の取り組みとして「風の谷を創る」運動(都市集中型の未来へのオルタナティブとして)について記述があった。

「風の谷を創る」プロジェクトは、テクノロジーの力を使い倒し、自然とともに人間らしく豊かな暮らしを実現するための行動プロジェクト。

確かに都市集中ではなく、自然豊かな地方での暮らしを続けるために解決すべき課題は数多くある(都市圏と比較した場合の、高コストな生活インフラや子育てなど)。

地方に暮らす自身にとっても身近であるものの直視していなかった課題が見えた。

自身、田舎志向であるので、ここで挙げられていた課題については、自分が住む地域のデータから考察してみたいと思っている。

 

読み終えて、行動に移すことは以下の3つ。

  • データ・AIに関する新たな学習、学び直しを進める
  • 今後の教育体系、国のリソース配分の変化を注視する(足らざるところは自身のできる範囲で補完する)
  • 自身の住む地域について考え、実現したい生活や未来を描く

 

次は、安宅さん著書の「イシューから始めよ」も読んでみたいなと思いながら終わります。